Brewpub Têtard Vallée

Vol.4 ビールを8か月寝かせてみた

 

当店は、ブリューパブですので、店内で提供しているビールというのは、全て店内の醸造所で造ったビールです。

そして当店の特徴は、「定番ビール」というものを置いていない事です。

他のブリューパブだと、いつ行っても必ず置いてある、その店の定番モノのビールが有るみたいなのですが、当店は、「白」「黒」「琥珀」の3色だけは必ずそろうように置いていて、3色の内容はどんどん変えています。

世界中に有る色々なビールをお客様にどんどん紹介して飲んでいただきたい!というのが当店のコンセプトのひとつなので、お客様の中には、「このスタイルのビールはテタールヴァレで初めて飲んだ!」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

私なんかはもっとヒドくて、飲んだ事もないビールを仕込んで、完成すると「へえ~、このビールはこんな味がするんや~。初めて飲んだ~」なんてブルワーなのに言ってしまうのは、ここだけの話です。

 

色々なビールを造ってみたいので、中にはほとんど一般に商品化されていないような、どこへ行っても飲めない、レアもののビールを造る事もあります。

造ったビールの内容によっては、半分お客様に出して、半分寝かしてみる、なんていう事もするんですよ。

これは、醸造所でしか出来ない、ビールが生きているからこそできる、長期熟成なのです。

そんなビールをひとつ紹介します。

 

「オン・ブレタノマイセス・ソワカ」

仕込んだ日は2017年10月11日、12月くらいに一部を商品として出しました。残りを8か月寝かせて、今月2018年7月に再び出しました。

普通のビール酵母であるサッカロマイセスと、そこに野生酵母であるブレタノマイセスを加えて発酵させました。

2017年12月くらいに飲んだ時は、まさに野生、馬やヤギ的な獣臭、天然皮革、汗みたいなにおいがツンとして、酸っぱいビールでした。

正直くさい!!飲んだ時むせました。

ところが、8か月寝かせると、野生の臭いは消え、酸味がマイルドになり、乳酸菌飲料みたいな甘酸っぱい香りがする、素敵なビールに変化しておりました。

なんということでしょう~!正直うまい!!

はっきり言って、このビールは当店でしか、このタイミングしか、飲めません!!

あと一樽ありますが、いつ出そうかな?

 

そして、このタイミングを逃しそうで、悔しがってるお客様!

安心してください!

次のお寝んねビール紹介します。

 

「〇〇〇でブルゴーニュ」

2018年4月に仕込みました。3か月後の今月、「フライングブルゴーニュ」として一部出しました。

フライング時私は休みで、まだ飲んでませんので、味はわかりません!!

こちらは、野生酵母は入っていませんが、使用したビール酵母が溢れんばかりの個性を放っておりました。

何か月寝かせて出すかは、まだ決まっていません。

いつ飲めるのでしょうか?私もわかりません!楽しみです!!

 

ビールは、麦芽・水・ホップ・酵母の4つの原料があれば造ることができるのですが、さらに時間という5つ目の材料を加えた、お寝んねビール達。

なかなか提供できる機会が少ないのですが、出会うタイミングがありましたら、是非お試し下さいませ!