Brewpub Têtard Vallée

Vol.006 ブルワーの大切なお仕事

 

あと1ヶ月で大阪マラソンが開催されますね。

ということで!

先日は、「マラソン走っても走ってなくてもかめへん、ゴール出来ても出来なくてもかめへん、頑張ったから酔っ払ってもかめへん、今日頑張ったみんなが最高や!!!」とのコンセプトを元に設計された、大阪マラソン用ビールを勝手に仕込みました!

スタイルで言うと、メキシカンラガーハイブリッド?!

アルコール度数低めのスルスル飲みやすいビールを目指しましたので、みんなの頑張りをこのビールで労い、疲れを癒せましたら、ブルワーとしてこの上ない喜びです。

大阪マラソンの日まで、うまく発酵熟成できますよう、酵母たちも頑張れ!!私も頑張る!

 

さて、ブルワーのお仕事と言えば、ビール仕込みばっかりしているイメージがありますが、ブルワーのお仕事はそれだけではありません。

一番大切と言っても良い仕事がありまして、それは仕込みに使用する色々な設備器具の洗浄です。

私たちは、「ブルワーの仕事=仕込み3割+洗浄7割!!」と考えています。

美味しいビールは、雑菌に汚染されては造れません。異物も混入してはいけません。

 

大手メーカーや、ある程度の規模のビール醸造所では、醸造設備や器具の洗浄というのは自動化・機械化が進んでおり、ボタンぽちっとな!でキレイに仕上がるみたいです。

ところが、当店のような小規模醸造所では、そのような機械など入れる場所もなければお金もない。

仕込みの度に自分たちの手を使って一生懸命に洗っています。

発酵タンクや熟成タンク(でかくて重い)、完成したビールを詰める樽(腰が痛い)、仕込みに使う大鍋(手が届かないので棒が要る)、ろ過槽(深いので潜りこむ)、ホースや接続部分のパーツ(細かい、穴がちっちゃくて見えへん)、など、色々な設備器具を手作業で洗っています。

 

洗い方。

まず、アルカリ性の洗浄液をかけて、タンパク質や酵母の汚れを溶かします。

こびりついた頑固な汚れや、硬い粘土状になっているものもあるので、洗浄液の濃度を調整し、溶かしながら落とします。

次に、中性洗剤で細かい汚れを丁寧に落とします。

泡立てながらスポンジを使ってこすります。

そして、酸性の殺菌剤をかけて、細かい雑菌や微生物を流します。

最後に、水で十分なすすぎを行います。

物によっては、熱湯ですすぎをしたり、アルコール噴霧をして仕上げる時もあります。

 

ビールの仕込み自体は1日仕事で終わりますが、その後の発酵→熟成→樽詰め等の様々な過程を経て、飲めるようになるまでに、早くとも約1か月程度はかかります。

その間にも、美味しいビールが出来上がるように、ブルワーは日々洗いまくっております。