Vol.8 冷蔵庫の有り合わせでビールを造る
2018年最後のテタールヴァレビール仕込みは、わたくしが黒ビール設計に初挑戦させていただきまして、記念すべきTKSブラック第1号を仕込みました。
ただ、設計するにあたり「初めての黒はこれでいこう!」と考えていたイメージとは、だいぶかけ離れたものになってしまいました。
「今度の黒ビール、麦芽はコレでいきたいんやけど在庫有りますか?」「あーそれ無いわ」「ほな有るやつなにー?」「これしか無いなー」
「このホップ入れようと考えてるんやけど?」「あーそれも無いわ」「むむむ!」
「酵母はあるやつでいいです…」「シーズナル有るよー?」「え、そんなスペシャル酵母使ってもよいのん?」「ええよええよ!」
という感じで、まさにオカンが冷蔵庫をのぞいて、有り合わせの材料で造ったビールみたいになってしまいました!
麦芽はドイツ産とイギリス産、ホップはアメリカ産とニュージーランド産、酵母はベルギー、水は大阪!の、なんとも多国籍な黒ビールです。
さて、小規模ブルワリーの弱点のひとつとして、材料の仕入れ規模が小さい事が挙げられます。
麦芽やホップの仕入れは、まず大手メーカーが大部分を押さえてしまい、その後の残り物?を小規模が分け合うという構図です。
その為、欲しい材料が欲しいタイミングで手に入るとは限りません。
運よく欲しい材料が手に入るとしても、置き場所や保存中の劣化などを考慮すると、たくさんを一度に仕入れる事はできません。
工場内の材料が減ってきたタイミングで仕込み内容を決める時、どうしても有り合わせを使い切る形になってしまいます。
限られた材料で、美味しいビールを造る!まさにブルワーの腕の見せ所であります!!
今回の多国籍黒ビール、調べてみると、ダークアメリカンベルゴというビアスタイルに近いみたいです。
どんな味になるでしょう?是非とも美味しくなって欲しい!!
折角やし、ビール名「おかんブラック」にしようかな??